私にとっては、お茶を飲むのは毎日欠かせなくことで、環境さえ許せば、一日中飲み続けるのです。授業の時も例外ではありません。
自分が買ったのと、皆さんからいただいたのと合わせて、たくさん種類のお茶を出しました。イギリスの紅茶、インドからの紅茶、ベトナムからの蓮茶も(全部プレゼント)あれば、主なのはもちろん、中国茶です。西湖龙井、冻顶乌龙、高山乌龙、普洱、茉莉花茶、桂花茶、碧落春、毛峰。自分が好きな菊の花茶(茶といっても菊の花だけ)も薦めました。 だけど、日本茶だけは出したことがありません。外国人として日本茶を出すのは失礼かな、どこかで思っているかもしれません。じつは日本茶は好きです。とくに最近、集中力を高めるには日本茶は飲み物の中に一番だと知り、仕事をする前に飲むようにします。 ところで、皆さんはお茶を淹れるときに、水温と浸出時間を確認しますか。 私は漠然と、ウーロンチャなら、高い温度がよい、緑茶はそうでもない、あと日本の煎茶なら、早く急須から出したほうがいいと知っているつもりです。 今日、家にある煎茶をチェックしたら、お茶によって違うみたいですね。40、50度のもあれば、80度のもあります。時間も2分か20秒かまちまちです。その通りに淹れたら、たしかにいつもより美味しいです。 よく味わうと、飲むより「食べている」気がしますし、最後にはほんのすこしの苦味と一緒に甘味が出てきます。道理でお茶受けがほしくなります。 中国茶は日本茶より味が薄いので、お茶受けはいりません。いえ、お茶受けがあると反論する方もきっといらっしゃいます。私も西湖でお茶を飲むときに、ナッツ、フルーツ、前菜までたくさん出されて、おまけにかなりいい値段でした。商売のためとしか思えません。それに甘いものが出されるのはあまりないです。 日本の煎茶は、中国の緑茶より、味が濃く、何かを食べている感じを(私に)させた理由は、おそらく「抹茶」の存在と関係があります。「抹茶」は宋代の中国から伝来し、明代になって煎茶の作り方ができ、中国では「抹茶」のような点茶法がなくなりました。 その影響で、中国人の茶に対する感性は日本とは違うじゃないかと思います。あくまでも個人の感覚かもしれないが、中国茶には渋みから出たさっぱりとした切れ味がとてもいいです。 中国では「清香」といいますが、この言葉は「すがすがしい香り」という意味もありますが、しかし、お茶の「清香」は、鼻で分かる香りではなく、舌しか分からない切れ味です。清橄榄(緑の)の食感でもあります。 中国茶でも、たとえばジャスミン茶なら、臭覚で分かる香りが特徴です。まさに日本のお茶関係の本に「官能的」と書かれているようです。甘みも結局同じじゃないかと思います。それはある限られているワールドに限られている感覚です。私たちの官能の世界に属します。でも、渋みからでてきたあの「清香」は、その官能の世界を否定し、自分を湖のような、青い空のような世界に導いてくれます。 旨いお肉を食べる時、お酒を飲む時の官能的な刺激も自分に幸せを感じさせますが(私は本当に満腹しただけで、幸せ感が涌いてくるときがあります)、理想のお茶に導かれて清い世界にいくときに幸せを意識しなくなるほど心が落ち着きます。 お茶を発明する人には本当に感謝です。
by nschinese
| 2006-05-07 23:29
| できごと
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語林中国語教室と翻訳工房
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